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交通事故豆知識

事故発生から解決までの流れを知っておこう

事故解決への近道は、示談成立までの流れを把握すること。

交通事故の発生から解決までには、多くの手続きを経る必要があります。ほんの些細な物損事故ならば早期解決も可能ですが、重い障害が残るような人身事故の場合には、解決までに相当の時間を要します。

不幸にも交通事故の当事者になった場合には、被害者、加害者ともに、解決までの一連の流れをしっかりと把握しておく必要があります。次の1〜4の内容を十分に理解することが、1日も早い解決への近道になります。

1.事故発生直後
  事故現場での対応、警察への通報、保険会社への報告など

2.示談交渉の準備
  交渉相手の特定、必要書類の準備、損害賠償額の算定など

3.示談交渉開始
  示談の決めどき、損害賠償額・支払条件の確定など

4.示談成立
  示談内容に応じた「示談書」の作成など

なお、示談交渉が決裂した場合は、交通事故紛争処理機関での相談や民事調停・訴訟など、解決までにはさらに長いになる場合もあります。

事故発生から解決までの流れ


事故現場で最初にすることは?

運転免許証の提示を求め、加害者の素性を確認しましょう


警察へ通報し、警察官が事後現場へ到着するまでに、被害者は「加害者の素性」「現場の状況」「事故状況」「目撃者の有無」などを、できる範囲で確認するようにしてください。

なかでも加害者の素性を確認しておくことは重要です。ドライバー(加害者)と車の所有者が違うケースも考えられます。

ドライバーと車の所有者が違う場合で、ドライバーに資力がないようなときは、車の所有者にも損害賠償責任を追及できる場合があります。ドライバーが所有者でないときは、車の借用理由や、所有者との関係なども聞いておきましょう。

また、事故現場の状況も刻々と変わってきます。目撃者がいるような場合は、警察官が到着するまで、その場で待ってもらうように頼んでみることも必要です。

なお、加害者に素性を尋ねるときには、自分の身分を明かしたあとで免許証などの提示を求めるとよいでしょう。こうすれば、相手も感情的になることなく、比較的スムーズに素性を聞くことができるはずです。

■ 事故現場でのチェック項目 ■
□ 相手の運転免許証
  住所・氏名・生年月日などをメモしておく。
□ 相手車両の番号 (取りはずしのきかない後ろのプレートを確認)
  相手が逃げた場合には、ナンバープレートを確認し、警察へ通報する。
□ 相手の勤務先 (名刺をもらうか、メモをしておく)
  事故後に連絡をとる場合に有効。
□ 相手車両の車検証、自賠責証明書の証明番号と保険会社名、加入年月日
  ドライバーと車の所有者が違う場合でも安心。
□ 被害状況 (破損部位・程度)の確認 (できれば写真撮影)
  車体のキズが事故によるものかどうかなどをチェック。
□ 現場の状況
  道路幅、路面状況、道路施設、道路の運行状況をチェック。
□ 事故状況
  スリップ痕、車の位置関係をチェック。
□ 加害者(被害者)の言い分 (できれば会話の録音やメモなど)
  加害者(被害者)の過失の有無や程度を確認しておく。
□ 目撃者の住所・氏名、目撃内容 (事故時の信号表示など)
  利害関係のない目撃者の証言は、とくに信頼度が高い。

!! 事故扱いの場合には警察が現場調査を行うが、自分でも確認しておくことが重要。


警察へ通報しなければどうなる?

保険の請求に必要な「交通事故証明書」が入手できなくなる

警察への通報は、道交法第72条1項に定められた義務(報告義務、届出義務)です。しかし、車同士の軽い接触事故や、物損だけの事故、被害者が軽い転倒ですんだような事故では、この警察への報告・届出義務が守られないケースも少なくないようです。

人身事故の場合、警察へ通報すると、警察官によって事故現場での実況見分が行われます。そこで加害者(ドライバー)は、1.事故が発生した場所、2.死傷者数と傷害の程度、3.現場でとった措置、などを警察官に報告します。それに基づいて作成された「実況見分調書」には、事故の状況が詳しく記載され、事故の事実が確実に記録として残ります。

警察への報告義務を怠った場合には、実際に事故が起きたことを証明できないだけではなく、自動車保険の請求に必要な「交通事故証明書」も入手できなくなります。また、「交通事故証明書」がなければ、事故直後には予測できなかった症状が出てきた場合などには、保険金の請求が困難になってしまいます。歩行者が被害者の人身事故の場合、被害者に報告の義務はありませんが、加害者(ドライバー)が警察へ報告しない場合には、被害者側から報告するようにしてください。

「交通事故証明書」の申込方法


事故後、病院へ行かなかったらどうなる?

治療費の請求に必要な「人身事故」への切り替えができなくなる

車同士の事故で、当事者に外傷や自覚症状がない場合、多くの人は病院へ行きません。しかし、事故から数日後に身体に異常が現れて、慌てて病院へ駆け込む人も少なくないようです。

はじめに警察へ物損事故として報告した場合、「交通事故証明書」も物損扱いとなります。そのままでは、その後に治療を受けたとしても、自賠責保険に治療費などを請求できなくなるおそれがあります。事故日から受診日までの間隔が短ければ、次のように事故の種別を「物損」から「人身」へ切り替えることで、警察で切り替えが認められる場合もあります。

1.検査の結果、異常が判明した場合には、「警察へ提出するための施術証明書」を書いてもらう
2.事故発生場所を管轄する警察署へ、施術証明書(診断書)を届ける

また、警察で切り替えができない場合には、認められる可能性は低いものの、「交通事故証明書(物損扱い)」に、「人身事故証明書入手不能理由書」を添えて提出することで、保険金の請求が認められることもあります。しかし、後日に面倒を残さない意味でも、事故後には迅速に病院で診察を受けておくようにしてください。

物損事故から人身事故への切替手続き


事故後には、早急に保険会社にも報告する

保険会社への報告は、保険金支払いまでの期間にも関係してくる

警察への報告など、事故現場での措置や確認が一通り終了したら、自分の加入している損害保険会社(任意保険)への事故報告も忘れないようにしてください。損害保険会社が事故状況を早期に把握することは、保険金支払いまでの期間などに直結します。

現在は24時間フリーダイヤルで事故相談を受け付けている会社が多くなっています。そのため、車同士の物損事故などでは、事故直後に報告しておけば、保険会社による短時間での修理費用の算定が可能な場合もあります。

また、加害者の任意保険の加入状況を把握しておくことも必要です。自賠責保険の範囲内ですむような人身事故による損害や、軽い物損事故の場合には、加害者の支払能力を心配することもありません。しかし、重い障害が残った場合や、死亡事故などでは、必然的に加害者の任意保険から支払いを受けることになるからです。

任意保険には、ドライバーの年齢によって保険金が支払われない契約もあるので、加害者の任意保険の内容もしっかりと確認しておく必要があります。

■ 保険会社への報告内容 ■
□ 契約内容
  保険証券番号、契約者、被保険者の住所、氏名、電話番号など
□ 事故の状況
  事故発生の日時・場所、事故の原因・状況・責任の所在、相手方当事者の住所・氏名・電話番号、目撃者がいた場合はその氏名・連絡先、届出警察署名など
□ 損害の状況
  双方の車両損害の程度、負傷者の有無、負傷者の傷害の程度、診察を受けた場合の病院名など
□ 事故後の措置
  相手側との交渉状況など

事故発生後、すみやかに被害者・加害者それぞれが加入している損害保険会社(または保険代理店)に報告する。

!! 人身事故については、事故の発生日から60日以内に報告しないと保険金が支払われないこともある。


自動車保険の種類と違いを知っておこう

自賠責保険と任意保険では、保証範囲や保険金額が大きく違う

自動車保険には、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と、任意保険(損害保険会社などの自動車保険)があります。示談交渉を進める前に、両者の違いを把握しておくことが必要です。

◆自賠責保険の特徴 (任意保険との違い)
・ナンバーのついた車は、所有者の意思に関係なく加入する義務がある(強制保険)
・物損事故では保険金が支払われない
・支払われる保険金額には上限がある(支払限度額)
・示談交渉はすべて自分で行う必要がある

◆任意保険の特徴 (自賠責保険との違い)
・加入の義務はなく、加入するかどうかは車の所有者、ドライバーの自由意思に任される
・人身事故から物損事故まで、交通事故全般を補償する
・支払われる保険金額や補償内容を選んで契約できる
・加害者(被害者)に代わって、保険会社が示談交渉を代行するサービスがある

自賠責保険と任意保険の違い


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